活動方針

Chipunaの製作に関する考え方をご紹介します。

Chipunaは、「家内制手工業」の作品作りを心がけています。

作り込んだ特徴のある作品を安価に供給

創作活動に特殊な技術が必要であった頃とは異なり、ひとりに1台以上のコンピュータを扱うようになった現在では、以前ほどの労力や特殊な技術がなくても作品を創り出すことができるようになりました。

しかし、簡単に作品を創ることができるという環境が、逆に平均的な作品の質を低下させてしまったと、技術的な移り変わりが大きかった90年代前半から創作活動を行ってきたメンバーは考えています。たとえば、それまで一般的だった多色刷が減り、技術が必要ないフルカラーが一般的になってしまったり、本文はコピーで印刷しても表紙には様々な工夫をしており、それがサークルの個性でもあったコピー誌が、表紙までコピー紙で間に合わせてしまうようなコピー本になってしまったりなど、手間を減らすが故に作り込みが甘い作品が多くなってしまったという印象を持ちます。

また、大都市圏での頒布方針に合わせるがあまり、創作活動の裾野であるべき地方の参加者が、作品や作者に出会う機会が減ったり、また高額なため購入をためらってしまうといった問題点があります。

これらのことから、Chipunaでは作品製作に手間を惜しまず、サークルならではの特徴をもった要素を毎回主題の一つとして織り込みます。そして、地方の参加者でも購入できるような価格設定を行うなど、個性を持った製作、頒布方法を提案していきます。

共同作業の母体である「サークル」の再定義

近年の創作サークルの特徴として、積極的なアウトソーシングがあげられます。特別な技能については外部に任せることで、サークルメンバーの負担を減らしながらも作品のクオリティは上げられるという、合理的な方法であるかと思います。

しかし、この潮流が長く続くにつれ、「サークル」という枠組みの定義は曖昧になり、作業をすべて外注化するサークルや、サークルに属さずに外注専門で行うクリエーターやプロデューサーが増えてきました。また、作業の多くを金銭を対価とするようになり、これまで持ち込まないことで存在意義を保ってきた自主製作の分野に、商業主義が台頭してくる結果となりました。この結果が、自主製作から商業分野への逆流現象であり、このような価値観ばかりが主流になってしまうと、将来的にはすべての創作分野が全く身動きがとれない状態になりかねないと考えています。

このことから、Chipunaでは共同作業のワークフローをもう一度本来の姿で行うことを重視し、可能な限り創作活動を内部完結できるように心がけています。しかし、これは閉鎖的に活動を行っていくという意味ではなく、あくまでも作品を通して他の作品を評価することができるようになりたいという願いなのです。